介護事業者は、介護保険制度の点数や国からの補助がある関係で法令遵守に対する非常に厳しい規定があります。実際に法令遵守違反によって、年間約100事業所が全部取り消しを行われ閉鎖しているのも事実です。これらを防ぐために、介護事業者の法令遵守マニュアルの作成は必須ともいえるでしょう。
なぜ法令遵守マニュアルを作った方がいいのでしょうか。仕事上、法令遵守は当たり前と思っているかもしれませんが、「知らない」事は学ばなければなりません。しかし、難しい専門用語を理解するのは非常に困難です。働いている介護職にあわせて、介護施設の法令遵守マニュアルを作る事で、違反者はもちろん、違反の要因を作った人を増やさないようにするなど予防することもできるからです。
現場は、言葉や理屈では言い表せない事もあります。しかし、それらが本当に法令遵守しているか、常に疑問を抱きながら仕事をすることが大切なのです。
もちろん法令遵守マニュアルを作成後、何年もそのままでは意味がありません。定期的な見直しや、それについて議論する場を設ける事も必要です。介護計画に合っているかどうか、第三者からの意見を求めるのも有益です。
こうしたマニュアルができる事自体大切ですが、最も重要なのはこの法令遵守マニュアルの作成過程で、介護事業所に関わる人すべてが介護事業の法令遵守の内容について理解し、説明できるようになる事です。
そのためには、日頃研修を設けたり、現場から離れて外部との意見交換をおこなったり、定期的な法令遵守対策マニュアルを交代で作成するなどの工夫が必要です。